今回はAutoCAD LTのコマンド(エイリアス)やショートカットキーについてまとめていきます。(AutoCAD LTとしていますが、AutoCADでも使用可能です。)
近年では3D CADが普及していますし、徐々にではありますが2D CADを使用することが減ってきているかと思います。しかし古い図面の改定等、業務でもAutoCADを使用している人にとっては効率も上がって便利になります。
※ここでは、『エイリアス』も『コマンド』として表記いたします。
それでは、行ってみよう!
なんでコマンド・ショートカットキー覚えたの?
そもそもコマンドやショートカットキーを覚えたのは、機械・プラント製図の実技試験のためです。初めて受検をしたとき、『クラシックスタイル』で左右と上に配置されたボタン?を寸法や線を引くたびに毎回押して作業をしていました。
確かに製図作業はできましたけど、画面の中心あたりから端を行ったり来たりしており、かなり時間がかかっていました。『分かっているのに、表現するのに時間がかかっている』っていう状態。そこの時間(タイムラグのような時間)を減らすためにコマンドやショートカットキーを覚えていきました。
コマンド・ショートカットキーを覚えるメリット
製図作業が早くなる
上記にもあるとおり、製図作業が早くなります。というより無駄なマウス操作がかなり減ります。業務でもAutoCADを使用している人にとっても仕事の効率が上がること間違いなし!!!
効率が上がることで、ほかのことに時間を充てることができますよ!
筆者は業務では、Creo Parametricも使用しているのですが、ショートカットやコマンドがほぼない?(設定が必要?)状態なので、そういう部分ではAutoCADのほうが便利に感じています。2Dも3Dもメリット、デメリットありますね。
AutoCADのバージョンが違っても対応可能
コマンドやショートカットキーは、バージョンが違っても(ほぼ)変更がありません。増えることはありますけど。機械・プラント製図の2級と1級で受検会場を変えたのですが、AutoCADのバージョンも変わりました。ですが、なんら支障なく試験に対応できました。
ちなみに、筆者が経験したAutoCADのバージョン一覧です。
- AutoCAD LT 2007 (1級)
- AutoCAD LT 2014 (2級)
- AutoCAD LT 2020 (1級)
2007版から2020版と大分年数が経っていますが、問題なく対応できました。(2020版では機能がいろいろと増えてそっちに戸惑ってました!)
コマンド・ショートカットキーを覚えるデメリット
コマンド・ショートカットキーを覚える上でのデメリットはほぼないかなと考えていますが、一つ上げるとすると、覚えるのに時間がかかること。
ただ、コマンドについては、『1~3文字くらい(これをエイリアスと呼びます)』、ショートカットキーについては通常でも使っているキーボード操作(コピペ等)と変わらないものもあるので、そこまで大変じゃないかと思います。
また繰り返しやっていくことで徐々に覚えていくことができます。
実際に使っているコマンド
それでは、筆者が実際に使っているコマンドを紹介します。
作図
主に作図をするときに使います。
コマンド | 内容 | 用途・操作内容 | |
B | 【BLOCK】 | ブロック登録 | 表面性状など、頻度が多く固定した線や文字の塊を登録しておくことができます。 |
C | 【CIRCLE】 | 円を作成 | 円を作成します。半径を入力ことで指定の大きさの円ができます。 |
CO | 【COPY】 | 複写 | コピーできます。基点を設定できるので便利です。 |
I | 【INSERT】 | ブロック挿入 | 登録したブロックを挿入できます。 |
L | 【LINE】 | 直線を作成 | まっすぐな線を作成します。 |
LA | 【LAYER】 | 画層(レイヤ) | 画層(レイヤ)を開けます。が変更がマウス操作になります。。。 |
MI | 【MIRROR】 | 鏡像 | 基準となる軸を選択し、反転させる。反転元を消す場合と残す場合で選択できる。 |
XL | 【XLINE】 | 無限に伸びる構築線を作成 | 無限に伸びる線が作成されます。製図するときの基準(原点)なんかで使用してました。 |
REC | 【RECTANG】 | 長方形を作成 | 長方形を作成できます。座標として入力して大きさも指定できます。 |
SPL | 【SPLINE】 | スプラインの作成 | スプラインを作成します。 |
T | 【MTEXT】 | マルチテキスト | 文字を記入できます。 |
修正
主に修正をするときに使います。作図でも使用するときもあります。
コマンド | 内容 | 用途・操作方法 | |
CHA | 【CHAMFER】 | 面取り | C面取りを作成できます。縦・横で違う長さの面取りにも使用可能。 |
EX | 【EXTEND】 | 線の延長 | 線分を指定の線まで伸ばします。 |
F | 【FILLET】 | フィレット | Rを作成できます。2級の鋳物のRとかで使用。 |
MA | 【MATCHPROP】 | プロパティコピー | 線や文字の情報(画層や線種、線種尺度等)をコピーできます。(線を引いたけど、画層が違う!画層変更より、隣にある同じ線と一緒にしよう!みたいなときに使ってました。 |
M | 【MOVE】 | 移動 | 線や文字を移動できます。 |
O | 【OFFSET】 | オフセット | 線や円等、指定した距離移動できます。 |
RE | 【REGEN】 | 再作図 | 再作図します。たまに円がカクカクした状態になりますが、これで解決! |
RO | 【ROTATE】 | 回転 | 文字や線を回転できます。 |
SC | 【SCALE】 | 尺度変更 | 文字や線の尺度を変更できます。 |
TR | 【TRIM】 | トリム | 指定の線から飛び出した余計な線分を切り取ります。 |
寸法・注記等
寸法や文字等の注記を記載するときに使用します。『DAL』とか『DAR』というように似たようなコマンドもあるので注意が必要です。
コマンド | 内容 | 用途・操作内容 | |
DAL | 【DIMALIGNED】 | 平行寸法記入 | 水平、垂直に伸びる寸法でないときに使用。覚え方『ダル』 |
DAN | 【DIMANGULAR】 | 角度寸法記入 | 角度寸法を記入できます。覚え方『ダン』 |
DAR | 【DIMARC】 | 弧長寸法記入 | 弧の長さを記入できます。覚え方『ダル』(2回目。。。) |
DDI | 【DIMDIAMETER】 | 直径寸法記入 | 角度寸法を記入できます。覚え方『ディーディーアイ』 |
DLI | 【DIMLINEAR】 | 長さ寸法記入 | 長さ寸法を記入できます。覚え方『ドリ』 |
DRA | 【DIMRADIUS】 | 半径寸法記入 | 半径寸法を記入できます。覚え方『ドラ』 |
LE | 【QLEADER】 | クイック引出線記入 | 引出線を記入できます。 |
MLD | 【MLEADER】 | マルチ引出線記入 | 1級の部材番号に使ってました。 |
TOL | 【TOLERANCE】 | 幾何公差の記号 | 幾何公差の記号を入力できます。 |
各種プロパティ、管理画面
コマンド | 内容 | 用途・操作内容 | |
D or DST |
【DIMSTYLE】 | 寸法スタイル管理 | 寸法線の設定ができます。線種とか線の色、矢印等 |
MLS | 【MLEADERSTYLE】 | マルチ引き出し線スタイル管理 | マルチ引出線の設定ができます。 |
MO | 【PROPERTIES】 | オブジェクトプロパティ管理 | 画層とか線の尺度とか線種とか設定できます。 |
ST | 【STYLE】 | 文字スタイル管理 | 文字の設定ができます。フォントとか文字サイズ等 |
実際に使っているショートカットキー
ショートカットキーは、通常のパソコン使用でも使えるものが多いので、覚えておいて損はない管と思います。
ショートカットキー | 内容 | 用途・操作内容 |
Ctrl + C | コピー | 選択中のオブジェクトをコピー |
Ctrl + V | 貼り付け | 選択中のオブジェクトを貼りつけ |
Ctrl + X | 切り取り | 選択中のオブジェクトを切り取る |
Ctrl + Y | やり直し | 直前の操作をやり直します(Ctrl + Zで戻したけど、やっぱりそのままでよかった時など) |
Ctrl + Z | 元に戻す | 直前の操作を元に戻します (作図を間違えて元に戻したいなってときに発動します) |
ESC | 操作キャンセル | 現在の操作をキャンセルします(このコマンドじゃない!ってときとかに) |
Enter, Spase |
繰り返し | 直前の動作を繰り返します(複数文字のコマンドを繰り返すより楽です) |
F3 | オブジェクトスナップ | 端点とか線・円の中心、接線なんかを選択できるように |
F8 | 直行モード | 線を引くときに直行になったりならなかったり(線のコマンド実行中にShiftキーでも可能 |
F10 | 極トラッキング | 指定された角度の線が引けます |
F11 | オブジェクトスナップトラッキング | 線を書かなくても、垂線の位置とか交点の位置とかを割り出せます |
まとめ
書いてて思ったのはかなり数が多い気がしますが、やっているうちに覚えていけます。はじめのうちは、使用頻度が多いものから覚えていくといいかなと思います!!!